笑顔あふれる人々、歴史的な町並み。シリア内戦で失われた古都アレッポの情景(画像集)

2016年10月11日、空爆で親戚を亡くして嘆くアレッポの男性

かつては賑わいを見せたシリア北部の都市アレッポも、今は悲惨な戦場となっている。アレッポが破壊されつくされるまで、10年もかからなかった。

アレッポは、つい最近まで活気にあふれ、中世建築や豊かな文化史で知られる観光地だった。シリア最大の都市の1つであり、現在に至るまで人が居住する世界でもっとも古い都市の1つでもある。国連指定の世界遺産であり、2006年には「イスラム文化首都」に選ばれている。 

シリアで2011年3月に内戦が始まって以来、死者は30万人を超え、480万人近くが国外に逃れた。しかし、アレッポで包囲下にあるおよそ27万5000人のシリア人には、逃れるという選択肢はない。政府軍と反政府軍が激しく対立する中、いまや地域全体が廃虚と化している。

「アレッポは怒りと悲しみに押しつぶされています」と、アレッポに家族と住む「シリア・チャリティ」の救急隊員、ムハンマド・ラスールさんはハフポストUS版に語った。「人々は暴力と絶え間ない爆撃の中で暮らしています」

【参考記事】血まみれの男児の姿が物語る、アレッポの史上最悪の戦闘(動画・画像)

国連人道問題調整事務所(OCHA)のスティーブン・オブライエン緊急援助調整官(人道問題担当国連事務次長)は10月初旬の声明で、アレッポ住民は「人間として耐えられないほどの過酷な残虐行為」にさらされていると述べた。同氏はさらに、この「生き地獄」に取り残された住民たちは非常に厳しい時間との戦いの最中にあると付け加え、彼らは「おびえ、閉じ込められ、そして隠れ場を失っている」と指摘している。

このドローン映像は、世界滅亡後の映画のワンシーンに見えるかもしれない。しかしラスールさんが言うように、これが「アレッポの現状」だ。

「私たちは包囲と攻撃が終わるのを待っています。そして発言する、意見を述べる、栄養のある食べ物を口にする、まともな服を身につける、世界中の人々と同じように威厳をもって生きる、そしてシリアの未来を築く、こういった自由を再び手にすることを夢見ているのです」

以下の写真は、すべて2011年より前に撮影された。今とはまったく異なるアレッポを写し出し、戦争がこれまでに生み出した破壊的な犠牲を際立たせる。

2009年5月21日、アレッポのバーでテーブルに座る女性。

2006年3月18日、アレッポをイスラム文化首都に指定した祭典で、スーフィー・タンヌーラ(Sufi tannoura、別名:アル・ダルウィッシュまたはデルビッシュ・ダンス)を踊るシリア人ダンサー。

2010年3月25日、登塔者聖シメオン教会跡を訪れる観光客。

アレッポ、現代史上最悪の戦闘

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