恋愛嫌いの私が学生ママになるまで#02 妊娠を知ったその時、親は...
妊娠がわかってすぐに大学3年生になった。
私は親に言うよりも早く大学のお世話になっている先生方に報告した。
先生方の反応はほぼお祝い一色。
一つだけ問題があったのは、彼の夏からの交換留学がすでに決まっていたことだった。
辞退するのか、私も一緒に留学について行って海外で産むのか、選択しなければならなくなった。
先生、先輩、学生部、何人にも留学について聞いた。
しかし私には海外で産むということに不安しかなかった。
頼れる人も周りにいない中で初めての出産、子育てをすることは想像がつかなかった。
できれば日本で産みたい、その方が安心。
しかし彼が留学に行くと決定するのであれば付いて行くしかないと思っていた。
ふたりで妊娠、出産、子育ての流れを共有して、共に楽しみ成長すること、それが1番大事にしたいものだった。
これと同時並行して考えていったのが親への報告と説得だ。
私は母には言い出せず、まず父にこっそりと言った。
「妊娠した。」
どんな顔をするのかなと思ったら、意外にも笑っていた。
のちに聞いたところによると、驚きすぎて笑うしかなかったらしい。
母には父から伝わった。母に伝わってからの日々が大変だった。まずは会話を拒否された。
「話しかけないで。今忙しいの。」
辛かった。
そして苛立った。
おそらく大学生の子供が妊娠したという事実をなかなか受け入れられなかったのだろう。
母は30代で私を産んでおり、バリバリのキャリアウーマンだった。
そして自らの考えを強く持ち、その考えに従わなければ怒られた。
当時の母の考えは、学生で子供を育てる=自分のやりたいことをあきらめる、というものだった。
「子供のためにやりたいことやめるの?子育てするなら退学すれば?学生なんだから子供なんて作らないで学業しなさい。なんであんな人と結婚するの?ここまで大切に育ててきて信じてたのに!」
様々な言葉を浴びせかけられた。
私は、専業主婦になるつもりも、学業をやめるつもりもなかったから諦めることはひとつもなかった。
それよりも一つの新しい物事にチャレンジできるチャンスだとも思った。
言ってしまえば、好きな人と一緒にいられて、かつ、とても大事なライフイベントを共に体験していけるということに喜びさえ感じていた。
唯一断念したことといえば、ハワイへの留学計画がすぐに実行できなくなっただけで、それもいつかすればいいやと思っていた。
どんな言い合いをしたかあまり鮮明には覚えていない。
「なぜその道を選ぶの?理解できない。」
「私の価値観はお母さんとは違う!」
この繰り返しだった。
険悪な雰囲気の毎日が過ぎていく中で、母は次第に、子供を産むことについては私の意志の強さに折れるしかないと悟っていったみたいだった。
父は話し合いの蚊帳の外にいた。しかし、しばしば私を慰めてくれていた。
ただ、彼の留学についていくことだけは両親ともに絶対反対だった。
そして今後の話し合いをするべく、彼と私と親の顔合わせの日々が始まった。
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恋愛嫌いの私が学生ママになるまで#03 〜あまりにも悩んでいた結果、記憶のない日々
妊娠してからを振り返ってみて、気づいたことは、当時の記憶があまりにもないこと。
1年も前のことだから仕方ないとはいえ、あんなにも衝撃的な出来事だったのに...
おそらく辛かったことをすぐに忘れていく私の性格なのだろう。夫は昔のラインを見たりして振り返りをしているけれど、私は闇をまた見る様で嫌なのでしていない笑
だから覚えていることは顔合わせの順番だけ。
1. 私が彼の実家に挨拶
2. 彼が私の実家に挨拶
3. 両家揃って挨拶
彼の実家に行く時は、玄関入るときはさすがに緊張したけれど、
彼の年下の兄弟や両親に会うと、その家族の明るさで緊張はほぐれた。
テーブルについて皆でお菓子を食べながら、今後どうしようかという話しをしたのだけれど、いたって前向きなものだった。はず。
彼が私の親に挨拶する時の方が、まるでドラマにあるような話し合いだった。
和食屋さんでの会食の席はピリピリした雰囲気で、始まってみると、まるで彼への尋問だった。
父と母が順番に怒っていた。
彼が主に受け答えしていたので、私はとりあえずだんまりを決め込み、食事と窓からの風景に没頭した。
結果、ほとんど内容をおぼえていない笑
その後1週間程して両家の顔合わせがあり、彼と彼の両親、私と私の親の6人で集まった。
そこで今後についての最終決定がなされた。
大学を卒業することが絶対条件だった。
学費を出してもらえ、卒業しなさいと言われたことが本当に嬉しかった。
叶わなかったことがひとつ、留学だった。
私の親の反対、私の不安、そして学事からの懸念、すべて総合的にみて彼が決断した。
そして、2人で住む家探しが始まった。
ここにくるまでに妊娠がわかってから約1カ月たっていた。
家探しはわくわくだった。
ネットでいい物件を探しては、その情報をもって不動産屋さんに行き、実際に家を見に行く。
ちょっぴり大人になった気分だった。
およそ2週間で彼の実家に近いところの家に決定した。
そして5月上旬、両家の父親のサインをもらい、婚姻届を提出した。
紙1枚で苗字が変わり、実家から出たことになるなんて、全く実感のわかないものだった。
5月中旬友達に手伝ってもらい、業者に頼むこと無く引っ越し作業をした。
転居の届けから始まる役所の手続き、水道やガスや電気などの契約、引っ越しに必要な仕事が思っていた以上に多かったが、とにかくわくわくだった。
そして同棲生活が始まった。
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