世界選手権大会フリー競技 ショートプログラムエンディング (上)
クワッドという4輪の ローラースケート靴で競技します (中)
アジア選手権大会では、 総合とコンパルソリーで優勝! (下)
ローラースケートフィギュアを 多くの方に知ってほしい
ローラースケートフィギュアのフリースケーティング全日本大会優勝者の岩片里会子さん。連続優勝を更新し続けている、目下無敵の強者です。でもあまり耳馴染みでない…? どんなスポーツなのでしょう。
「簡単にいえば、氷上を滑るフィギュアスケートのローラースケート版です。リンクの大きさは25m×50m。アイスリンク30m×60mより少し小さめですが、その広さを目一杯使って演技をします。世界大会もあるんですよ。シングル、ペア、ダンスの種目があって、シングルにはフリーと、規定の図形をスケートで描くコンパルソリーがあります」
ローラースケートは初心者でも滑れますか?
「基本的には歩ける方なら大丈夫です! クワッドというローラースケート靴は4輪のタイヤがついて立つことは簡単。でも、かかとに重心をかけると倒れやすいので、最初は転び方から練習をします。ヘルメットやひざ当てを装着しますから、怖がらずに気持ちを強く持てば、すぐに滑れるようになりますよ」
岩片さんを見ていると、シェイプアップ効果も期待できそう!?
「ローラースケートフィギュアは全身運動で、回転技などもあり腹筋が鍛えられます。私はよく食べるしお酒も好きですが、お腹は一度も出たことはないですよ(笑)。きっと若い方でも、練習した翌日は筋肉痛になると思います」
今後、ローラースケートを楽しむ方や、競技に参加する方が増えていくといいですね。
「現状では選手やコーチの人数が少なく、なにより練習場所が足りないと感じています。ローラースケート場は練馬総合体育館のほか、都内に数か所しかありません。母がコーチをする『練馬アーティスティックローラークラブ』では、選手権クラスがあり、私もときどき指導にあたっているんですよ」
ローラースケートフィギュアの認知度をもっと上げたい、と岩片さんは目を輝かせます。
負けず嫌い、頑固な性格… 母への反発と感謝の思い
「幼稚園生のころ母に連れられて、ローラースケートフィギュアの世界大会を見に行きました。選手の衣装からこぼれたスパンコールがキラキラしてとてもきれいで、拾い集めてました。ここが私の転機だったかも(笑)」
なんとも子どもらしいエピソードですが、そこから岩片さんのローラースケート人生が動き出しました。小学1年生のときに、谷原の練馬総合体育館にローラースケート場ができたことを今でもよく覚えているそう。
「小学生当時は、母、いえ鬼コーチ(笑)から『練習しなさい』と言われると、逆にやる気がなくなって。毎週土日は朝から練習で容赦なく厳しくて、『もう、やめる』と言ったことは何度もあります。でも、そうしなかったのは、仲のいい友だちがたくさんいたから。練習で会うのが楽しかったんです」
中学3年生のとき全国大会で優勝。その達成感や満足感は今でも忘れられないと言います。
「優勝の経験からはずみがついたというか、練習がとても楽しくなりました」
スピンや回転ジャンプなど、より高いレベルを目指して練習するなか、高校時代はアメリカ留学を果たします。
「英語はもともと得意な科目でしたが、生活するとなると結構大変でした。ローラースケートフィギュアに明け暮れる毎日で、母以外のコーチにつくのも初めての経験。開放感を感じる一方で、母への感情を冷静に見つめ直す期間だったと思います」
得意なジャンプはダブルアクセル。挑戦しているのは、後ろ向きで右の脚を前に振り上げて3回転ジャンプをするトリプルサルコウ。ご自分の性格は「負けず嫌い、頑固」と分析しますが、アスリートには大切な資質かも知れません。
もうすぐ練馬総合体育館で全国大会が開催されます(以下参照)。岩片さんの純粋で清々しい笑顔と、ローラースケートフィギュアの迫力と美しい演技を間近で見るチャンスですよ!
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