なでしこ終盤のパス回し「もどかしさあった」と岩渕

なでしこJAPAN vsオーストラリア戦 ワールドカップを決めるための最後の3分間w

<女子アジア杯:日本1-1オーストラリア>◇1次リーグB組◇13日◇アンマン

 なでしこジャパン(FIFAランク11位)が8大会連続となるワールドカップ(W杯)出場を決めた。同6位のオーストラリアに対し後半18分にMF阪口夢穂(30)が先制ゴール。同41分に同点とされたが1次リーグB組2位で準決勝進出を決め、8チーム中上位5チームに与えられるW杯出場権を手にした。

 1次リーグ3試合目で初出場を果たしたDF宇津木瑠美(29)は「今日(先発で)出たメンバーの中で1番(試合に)出てないのは私だったので、その分、外から見ていた時の情報だったりとか、芝の感覚だったりとか、そういったところが試合で出せればいいかなと思っていた。しっかり勝ちきりたかった」と話した。

 この日は阪口夢とコンビを組んでボランチで出場。阪口夢が攻撃的にいけるよう、守備では味方のDFラインに近い位置で相手の攻撃の芽を摘み、リズムを作らせなかった。「彼女(阪口夢)が前を向いて攻撃参加することが、チームにとっていい形になることが多い。前めの選手たちが攻撃する時間を増やしたいなというのがあったので、そういった意味ではよかったかなと思います」と振り返った。

 同点に追いつかれたあとの終盤のパス回しについては、W杯出場権獲得というチームとしての目標があることも理解しつつ「もちろん目の前の試合にしっかり勝ちたいというのがあったので、選手としては最後しっかり勝って終わりたいというのが素直にはありました」と率直な心境を明かした。これにはFW岩渕真奈(25)も「ルールがルールなので仕方ない部分はある。やっぱり勝ちにいきたい部分はあって、もどかしさはありました」と話した。決勝トーナメントでのオーストラリアへのリベンジも誓い「グループは2位ですけど、次勝てばまた決勝でオーストラリアとやれるのかなと思うので、いい準備をしたいかなと思います」。

 日本は18日午前2時(日本時間)から準決勝で中国と対戦する。

なでしこジャパン 試合中の“ある行為”に準決勝を逃した“韓国が大激怒”しネット大炎上…【女子サッカー】


バテた韓国に勝てず。なでしこよ、今変わらないで、いつ変わるんだ!


 勝てた試合だった。いや、勝たなければいけない試合だった。だが結果は、成長が見えた守備と、いまだ課題が解決されないままの攻撃力という構図のスコアレスドローだった。

 女子ワールドカップ出場権がかかった女子アジアカップ第2戦は、集中的な強化合宿を経て日本戦に的を絞ってきた韓国との対戦。立ち上がりから韓国が猛攻に出るのは想定内のことで、それに耐えうる守備力が日本に備わっているのかが問題だった。

後半、コーナーキックからのチャンスを外し、頭を抱える菅澤優衣香

 熊谷紗希(オリンピック・リヨン)と市瀬菜々(ベガルタ仙台)の両センターバックが最後に体を張り、ピンチを防ぐ場面もあったが、そこに至るまでには前線からプレス、中盤でのカバーリングが功を奏していた。決して余裕のある対応ではなかったが、裏を取らせることなく凌いでいた。

 しかし、日本が攻撃に転じた際に手数が足りない。個の対応で破れるような韓国守備陣ではない。日本はどうしても最後のパスが通らず、シュートを打てないまま時間が過ぎていった。韓国のプレッシャーにビビったというより、先に点を失うことだけは何としても避けたいという想いが強く、なかなか前線に踏み出すことができないようにも見えた。

 ただ、0-0で折り返すプランを持っていた選手たちにとって、これは折り込み済みのことだった。

 攻撃の起点となるチ・ソヨンとマッチアップしたのは隅田凛(日テレ・ベレーザ)だ。ここ半年で急成長を見せるボランチだが、もちろんアジアタイトルのかかる大舞台は初めての経験となる。

 前半はその苦悩が見て取れた。韓国の大黒柱であるチ・ソヨンを止めたい気持ちが先走る。飛び込みすぎて常に逆を取られ続けた。周りがサポートに入り、チ・ソヨンに人数をかけると、当然のながら、その先に潜んでいる韓国選手の足かせが外れる。劣勢から抜け出せない原因のひとつがチ・ソヨンへの対応だった。


試合前からチ・ソヨンを警戒していた隅田だったが、あまりに自由にされてしまった前半への反省から、後半にむけては冷静にある判断を導いた。

「飛び込まずに相手の動きを止めるポジショニングを取る」(隅田)。

 これが徐々にハマりはじめ、チ・ソヨンは簡単に前を向けなくなった。次第に韓国選手の足が止まっていく。前半に日本が凌ぎ切った韓国の攻撃は、想像以上に韓国選手の体力を奪っていたようだ。全員が攻撃に視野を切り替えつつ、カウンターを十分にケアしながら、最後まで無失点に抑えることができたのは、守備が大崩壊したアルガルベカップの教訓が根付いたからだろう。

 深刻なのは、いまだ克服できない攻撃面の課題だ。スコアレスで折り返し、韓国の足が止まった終盤にゴールを割る。ちゃんとプランはあった。4-1-4-1を敷く韓国相手に、厚みのある中ではなくサイドから崩す――。

 しかし、前半にサイドをえぐられていたため、清水梨紗(日テレ・ベレーザ)、鮫島彩(INAC神戸)の両サイドバックはおいそれと上がることができなかった。加えて中央にもスペースが生まれたことから攻撃がどんどん中寄りに偏っていく。それに応じて、固まっていく韓国守備。悪い傾向だった。

 そんな中でも一番のビッグチャンスは課題のひとつであったセットプレーで訪れた。62分、川澄奈穂美(シアトル・レイン)の左CKに合わせたのは、後半から入った菅澤優衣香(浦和レッズ)。このチーム始まって以来のベストなタイミングといっていいほどの形だった。

「ミートしたので、自分でも来た! と思ったんですけど……」(菅澤)


 無情にもボールはわずかにゴールを逸れていく。調子を上げてきていた菅澤だけに、ショックは大きい。セットプレーでの得点力があまりに低いこのチームにとって、突破口となる得点になったはずで、何より勝利を引き寄せる決定的なゴールにりそうな瞬間だっただけに、ショックは計り知れない。

 それでも菅澤は懸命に顔を上げた。

「次は決めます、絶対に!」

 その後も73分には、ケガで調整が遅れていた長谷川唯(日テレ・ベレーザ)が岩渕真奈(INAC神戸)からの縦パスをDF裏で受けてシュートを放つ。終了間際には右サイドでボールを受けた岩渕がDFを振り切って渾身のシュートを見舞う。チャンスはあったがゴールは遠かった。

 負けはしなかったけれど、勝ち点1にとどまったことで、日本は首位から一気にグループリーグ敗退の危機に陥った。日韓戦のあとに行なわれたオーストラリアvsベトナム戦で、オーストラリアは戦力を落としながらも8-0で圧勝。これでグループBは大混戦となった。 

 日本は数字上は2位につけているものの、韓国の最終戦の相手はベトナム。よほどのことがない限り勝ち点3を得ることは確実だ。日本は最終戦で負ければそこでグループリーグ敗退、引き分ければ3チームが勝ち点5で並び、得失点差、総得点、当該チーム対戦成績など細かい数字勝負となる。ここへ来て、やはり初戦の4ゴールという数字が重くのしかかってきそうだ。

 とはいえ、オーストラリアに勝ちさえすれば、逆転で首位通過の可能性も残されている。オーストラリアも負ければ3位転落となるため、韓国戦以上の激戦となることは間違いない。


 ワールドカップ出場権は出場国8チーム中5枚。5、6位決定戦に回れば、グループAの3位との対決となる。グループBに強豪が集結していることを考えれば、おそらくグループBのどの国が回ってもワールドカップ出場権を手にすることは難しくないだろう。だが、それで日本はいいのか。

 チーム内で面倒ごとは避けてきた傾向がある。それでも守備が崩壊したアルガルベカップでは、初めて選手主導のミーティングで熱い議論が交わされた。その結果、守備面は明らかに向上した。一方で攻撃面は多彩なタレントたちに任せてきた部分が大きいが、それももう限界に達しているのではないか。

 守備陣がしたように、攻撃陣もそれぞれの意見をぶつけ合い、新たな可能性を見出す必要がある。攻撃陣が守備に貢献するように、失点を逃れながらゴールのために守備陣がリスクを負うことも重要。そのためには、全員のイメージ共有が徹底的にされていなければならない。少なくともオーストラリア、韓国は長期の強化合宿でそれをしてきている。中2日でその溝を埋めることは簡単ではないが、今、変わらなければ勝利への道はない。

 最終戦を前にした現状を見れば、日本にとって楽天的な要素はない。守備陣には、より一層の集中力で完封を、攻撃陣にはそれぞれに意地の一発を期待する。


◆なでしこ、W杯出場への初戦を4-0勝利も浮かない表情なのはなぜ?>>


飯島 愛 ちん Benz Royce

頬を紅く初めて 幼心 そっと抱きしめて❣ よちよちぶらぶらチ~ン

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