「24時間テレビ」をNHKが批判しようとしている?

28日放送のNHK「バリバラ」についてオバタカズユキ氏がつづっている

放送タイトルは「【生放送】検証!『障害者×感動』の方程式」である

裏番組の「24時間テレビ」にケンカを売ろうとしていると指摘した

27日、28日に放送される『24時間テレビ39』


24時間テレビは「偽善番組」か NHKが「障害者の描き方」問う

 障害者差別は「愛」で解決できるのか。NHK番組の挑戦から、オバタカズユキ氏が考える。

 * * *

 明日(28日・日曜)の夜(19時~19時30分)に放送されるEテレ『バリバラ』が楽しみだ。同番組公式HPの放送予告文はこうなっている。

〈「感動するな!笑ってくれ!」というコンセプトで始まったバリバラ。しかし、いまだ障害者のイメージは「感動する・勇気をもらえる」というものがほとんど。「なぜ世の中には、感動・頑張る障害者像があふれるのか?」その謎を徹底検証!スタジオでは「障害者を描くのに感動は必須か?」「チャリティー以外の番組に障害者が出演する方法は?」などのテーマを大討論!Twitterで視聴者ともつながり、みんなで「障害者の描き方」を考える。〉

 放送タイトルは、〈【生放送】検証!「障害者×感動」の方程式〉。もうお分かりのように、裏番組の『24時間テレビ 愛は地球を救う』にライブでケンカを売ろうというわけである。

 8月27日18時30分~28日20時54分に放送する今年の『24時間テレビ 愛は地球を救う』は、番組テーマを「愛~これが私の生きる道~」としている。ラストの盛り上げに入ろうかという時間帯にぶつかる『バリバラ』には、ぜひ日テレに向けてこう問いかけてもらいたい。

 愛、愛、言ってるだけで、障害者は救われるの?

 そういう一方的な善意の押し付けは「キラキラ差別」って知ってる?

 最近は“攻めのNHK”のイメージも出てきているEテレだ。中でも福祉情報番組『きらっといきる』(放送終了)内企画として2010年4月から始まり、2012年に独立した『バリバラ』は、有名無名を問わず、障害者がエンターテイナーとして出演し笑いを取ろう、というラディカルな番組である。

 今春からは対象を障害者に限らず、LGBTなど〈「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」の人たちにとっての“バリア”をなくすために、みんなで考えていく〉番組へマイナーチェンジ。〈緊急企画 障害者殺傷事件を考える〉など、硬派なジャーナリズム路線も取り混ぜ、攻めの姿勢をさらに強めている。

 ならば、日本のテレビ界最強の福祉系番組に真正面(真裏?)から噛みついてみせてほしい。予告の動画では、番組MCの山本シュウが、「何かが起きる~ッ!」と叫んでいる。30分番組で何が起こせるのか、要チェックだ。

 ところで、そうして同じテレビ界にも批判者が現れた『24時間テレビ』は、なにやら放送前からバタバタである。オリエンタルラジオと共に番組パーソナリティー役を務める予定だった俳優の高畑裕太が、23日に逮捕されてしまった。

 容疑は強姦致傷。読売新聞によると、高畑容疑者は、警察の調べに対し「間違いありません。女性を見て欲求が抑えきれなかった」と容疑を認めているとのこと。福祉的にお話にならない。

 逮捕の当日、『24時間テレビ』の公式HPは、さっそく番組パーソナリティーとして記されていた「高畑裕太」の文字を消した。のみならず、彼は同番組の目玉である24時間テレビドラマスペシャル『盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた』の出演者でもあり、そのドラマ公式HPのキャストのページからも氏名が消えた。

 なんでも彼の登場シーンは代役を立てて撮り直すとのこと。ドラマの放送は27日の21時頃で時間がない。いったいどう修正できるのか気になる~、とネット上ではへんな期待を集めている。「テレビ屋の意地を見せてくれ!」など日テレにエールを送る声がある一方、「視聴率アップでウハウハですね~」的に揶揄する向きも強い。

 それでなくとも長いこと、『24時間テレビ』は、良くないウワサが絶えない番組であった。チャリティー番組の看板を出しておいて出演者に高額のギャラを出す異常、テレビ局も広告収入でボロ儲け、チャリティーマラソンの走者は車を使うなど完走なんか真っ赤なウソ。どこまでそうなのか、真相は闇の中だが、上記はもはや「24時間テレビの三大疑惑」として定説のようになっている。

 1978年放送開始以来、38年間も続けてきた巨大な人気番組だ。大きな金が動くので、いろんな利権も発生するだろうし、いわゆる「演出」「編集」もさまざまに施されているのだろう。肝心なのは、それらコミでも、あの番組に存在価値があるかという点だ。

 Eテレの『バリバラ』は要するに、「頑張る障害者=感動」という図式でしか社会的マイノリティーを捉えることのできない不自由さの象徴、もしくはその態度の発信源として、『24時間テレビ』を批判しようとしている。

 たしかに、ハンディキャップにめげず戦う者の姿は美しい。私だって、容易に感動する。でも、だったら、依存症というハンディキャップを乗り越えようと頑張ってクスリ断ちをしている元有名人たちになぜ目を向けないのか。それは犯罪だから、か。

 だとしても、ならばなぜ身体障害者ばかり取り上げて、精神障害者にはちゃんと向き合わないのか。絵にならないからか。愛では救えないからか。いや、そんなら3年前の8月に出版され、大きな話題を呼んだ『統合失調症がやってきた』を熟読し、そこにあるコンビ愛の深さを知り、松本ハウスの2人に番組出演を依頼してくれ。そうすれば、いまだに根深い精神障害者蔑視の風向きが変わる。そんな大きな力があの番組には潜んでいる。

 チャリティー番組である『24時間テレビ』は、過去38年間で356億6732万304円の寄付金を集めたという。そのお金はすべて「福祉」「環境」「災害復興」などの支援に使われ、例えば、これまで方々の施設や団体に1万台以上の福祉車両を贈呈してきた。2013年12月に公益社団法人の認定を受けた「24時間テレビチャリティー委員会」の公式HPでは、その成果を高らかに謳いあげている。

 でもね、38年間頑張ってきて、もっとも大事な視聴者に対するチャリティー精神の啓蒙・普及は、どれだけ成果をあげただろうか。数字で数えられないから分らないではなくて、『バリバラ』のようなアンチが公然と現れ、その背景には「24時間テレビは偽善番組だ」という大勢の視聴者の声があることをどう捉えているのか。私たちのやっていることは逆にチャリティー精神の破壊かもしれない、と制作者たちは一度でも考えたことはあるだろうか。

 番組と一心同体の関係にある「24時間テレビチャリティー委員会」の公式HPをじっくり見て回って、「あれ?」と気づいたことがある。これまで集めてきた寄付金の総額を放送年ごとに記した一覧表だ。

 寄付金総額が、2014年は9億3695万5640円、昨年2015年は8億5672万8209円、とイマイチなのである。前記したように過去38年間の全総額は356億6732万304円。38で割ると、1年あたりの平均は9億3861万3692円で、直近2年はそれを下回っている。公益社団法人の認定を受けたことで、寄付金には寄附金控除や損金参入など税制上の優遇措置が適用となった。その効果が出たはずの2年間なのに低調なのだ。

 番組の視聴率はここ20年以上ずっと好調。テレビ低迷の時代にあっても、平均視聴率15%超えをほぼ毎年達成、目玉のドラマは20%超えを当たり前のようにしている。

 人は集まる。が、金が集まらなくなってきた。その社会的背景には何があるのか。それは愛で解決できるのか。感動していればそれでいいのか。

 感動には思考ストップの副作用もある。愛より頭が必要な時代になってきており、『24時間テレビ』も熟考の時をむかえている。そう私には思える。

NEWSポストセブン

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 「愛は地球を救う」のキャッチフレーズで親しまれている日本テレビ系恒例特番「24時間テレビ」が、今年も8月27、28日に放送される。一方、同番組が最終盤に差し掛かる28日午後7時からは、NHKのEテレが「笑いは地球を救う」と銘打った番組の生放送を予定。これに対し、インターネット上では「『24時間テレビ』へのアンチテーゼでは」などと注目が集まっている。

 その番組とは、NHKEテレ「バリバラ」(日曜午後7時)。「バリアフリー・バラエティー」を略した、障害者やマイノリティーのための情報バラエティーだ。普段は収録済みの内容が放送されることが多いが、28日は「検証!『障害者×感動』の方程式」をテーマに生放送するという。

 「なんで障害者ドラマは感動話ばかりなの?」「なんで感動されないといけないの?」

 予告動画などによると、そんな疑問を、スタジオやVTRなどで出演者が考えていく内容のようだ。

 これだけを見ると、有名人と障害者の交流や、障害を扱った特別ドラマなど、さまざまな企画で「感動」を伝えてきた「24時間テレビ」に疑義を呈したような内容にも感じられる。ただ、NHK広報部は、「24時間テレビ」との関連性や放送日時が重なったことについて「他意はない」としている。

                

 そもそも「バリバラ」は平成24年に放送スタート。熊本地震での障害者の状況や、相模原市の障害者施設で入居者19人が刺殺された事件を取り上げるなど、硬派なテーマを扱う一方で、笑いの要素を盛り込んだ意欲的な企画も続々と送り出しているのが特徴だ。


 例えばマイノリティーのお笑い日本一を決める「SHOW-1グランプリ」という企画は、出演者が自身の障害をネタにしたコントや漫才などを披露し合うもので、既に第4弾まで放送されている。

 また、26年に番組内で放送されたドラマ企画「悪夢」は、統合失調症の男性とダウン症の男性の交流を「ハートフルコメディー」として描き、脚本を担当した宇田学さんは市川森一脚本賞奨励賞を受賞。番組プロデューサーは昨年5月の授賞式で、「番組のモットーは『NO LIMITS』、限界なし」と語っていた。

 公式サイトでは、番組の狙いについて「『生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー』の人たちにとっての“バリア”をなくすために、みんなで考えていきます」と説明。タブーとされがちなテーマを異色の企画や演出で描くことで、視聴者に驚きと違和感を与える-。それによって、視聴者が無意識のうちに抱いている障害への「バリア」もまた、浮き彫りになる。

 NHKは28日の生放送について、番組の公式サイトで「何かが起こる…」とも予告。ステレオタイプな「障害者×感動」という構図に一石を投じ、視聴者の思い込みを揺さぶる内容にはなりそうだ。

飯島 愛 ちん Benz Royce

頬を紅く初めて 幼心 そっと抱きしめて❣ よちよちぶらぶらチ~ン

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