難病・脊髄性筋萎縮症の新薬発売…投与1回932万円だが、助成で自己負担は月3万円に

 製薬会社「バイオジェン・ジャパン」(東京)は30日、難病の脊髄性筋 萎縮いしゅく 症(SMA)の治療薬「スピンラザ」(一般名・ヌシネルセンナトリウム)の発売を開始した。

 SMAは、先天性の遺伝子変異のため、全身の筋力低下などが起きる病気。生後6か月以内に症状が表れる最も重いタイプは、寝たきりで体を動かすのが難しく、人工呼吸器を着けなければ生存が危ぶまれる。発症した患者の約6割がこのタイプで、出生2万人に1人前後の割合とされる。

 新薬は、この最重症のタイプが対象。投与は4か月ごとで、費用は1回約932万円。ただ、使い始めは9週までに4回投与する。同社の予測では、新規患者のピークは2024年度の294人。薬は高額だが、指定難病の医療費助成を受ければ、患者の自己負担は最大で月3万円で済む。

 治験では、約4割の患者が寝返りを打てるようになったり、自力で座れるようになったりするなどの改善が見られた。12歳までの小児を対象とした別の治験でも、症状の改善が報告されており、厚生労働省は9月に、最重症の乳児以外にも対象を広げ、治療で保険が使えるようにする方針。




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