川栄李奈、女優躍進を支えるのは危機感「私なんてすぐに消える」
旬の若手女優として存在感を発揮している川栄李奈。AKB48卒業後、女優に転身した後はNHK朝のテレビ小説『とと姉ちゃん』をはじめ、舞台『AZUMI 幕末編』、ドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)、映画『デスノート Light up the NEW world』、『亜人』など話題作にも次々と出演してきたほか、2017年8月のCM好感度ランキングでは1位を獲得。そんな川栄李奈が、最新出演作となる映画『嘘を愛する女』(1月20日公開)の撮影秘話や、躍進が続く女優業について語ってくれた。
【動画】川栄李奈「調子に乗ったら私なんてすぐ消える」
川栄李奈『嘘を愛する女』インタビュー
昨年実施した『2017年ブレイク女優ランキング』(オリコン調べ)でも女優業の躍進について支持する多数のコメントが集まり、2位に輝いた川栄。“脱AKB”を最も体現している存在であり、グループ卒業後に演技の道に進むアイドルのロールモデルとなりつつある。憑依型女優ともいわれ多彩な表情を見せる彼女の本当の姿とは。
吉田鋼太郎さんへの“後ろ回し蹴り”をものすごく練習しました(笑)
『嘘を愛する女』はキャリアウーマンの川原由加利(長澤まさみ)の元に、突然警察官が訪ねてくるところから始まる。警官からは同棲5年目を迎える研究医の小出桔平(高橋一生)が倒れて意識不明の重体だと知らされるが…その過程で医師免許の偽造をはじめ勤務先、氏名までもすべてが“嘘”だったことを知る。彼の真実を探偵・海原(吉田鋼太郎)やキム(DAIGO)と調査する中で、桔平を「先生」と呼ぶ謎の女子大生・心葉(川栄李奈)が現れる――。
――物語の“謎”が判明するきっかけとなる重要な役でしたが、演じた感想は?
川栄李奈 作品を見て、“愛って何なんだろう”って問うような映画だと思いました。私が演じた心葉はストーカーでしたが、愛であることには変わりはなくて、さまざまな人の愛のカタチがあると思います。心葉が桔平さん(高橋一生)の真実を知った時どう思うのかなって、桔平さんが抱えていたものをお芝居の中で感じて、つらくなるっていうか…考えさせられました。
――そういえばストーカーでしたね(笑) 物語の中ではあまりストーカー感を感じませんでした。
川栄李奈 謎解きに協力していくからですかね(笑)
――映画の予告編にも入っていましたが、吉田鋼太郎さんへの後ろ回し蹴りが…すごく堂に入っていてカッコよかったです!
川栄李奈 特に武道をやっていたわけでないので、何回も何回も練習したんです。吉田さんには本番で受けていただいたんですが、何回かやっているうちに疲れて足が上がらなくなっちゃって。けっこう危なかったですね。
――普段女の子がやらないような“動き”ですが、カッコよくこなせたのはアイドル時代に歌・ダンスと身体を使った表現をやっていたからでしょうか?
川栄李奈 そうですね、AKBでの経験も役に立っていると思います。あとは以前『AZUMI』や『亜人』でアクションもやらせてもらっていたので、その経験も…? 吉田さんはパットが入っていたんですが、「痛い!」って言っていました。一度パット入っていないところに当たっちゃって「危ないよ~!」って。すいません!ってすぐ謝りました。後ろ回し蹴りはすごく練習しましたね。
川栄李奈は“消極的だけど気が強い”女の子!?
――心葉は桔平(高橋一生)に恋い焦がれる役でした。ゴスロリ衣装の「ファッション」も、ストーカーになるほどの「恋」も、自分に正直に生きている女の子でしたね。
川栄李奈 私にはできませんね。ストーカーって、要は“積極性がすごい”ってことですよね。私とは真逆ですね。芯のしっかりした子で、言うときは言うし、やるときはやるし、“強い”女の子なのかなって思いましたね。
――川栄さんは“強い”女の子ではない?
川栄李奈 いえ…私は”強い”です(笑)。強いんですが、積極性はないというか。控えめな強さです。人前にでるのも小さい頃から好きじゃなかったですし、けっこう引っ込み思案でした。人見知りもしますし、積極的に行動するタイプではないです。
――では、川栄さんの“強い”部分とは…?どういうところでしょうか?
川栄李奈 気が強いです。よく言われるんですが、気は強いけれど表に出さないタイプで。周りの人に合わせています。あと、メンタル面も強いと思いますね。自分が内側に持っているものは“強い”んじゃないかと思います。
――アクションも体当たりでやっていて、“度胸”があると思います。ハートの強さは生まれつきですか?培われてきたものでしょうか?
川栄李奈 やっぱりAKBにいたのが大きかったと思います。何百人からの競争の世界でしたから。私自身は、アイドルやる前から引っ込み思案で、人前に立つのも嫌でした。でも、グループに入って、後輩ができて、先輩になって、お仕事としてこれをやらないといけないんだっていう自覚が芽生えてから度胸がついたと思います。自分がなすべきことをしっかりやらないといけない状況に身を置いていたからかもしれませんね。
女優としての躍進の秘訣は…「絶対に調子に乗らないように気を付けています」
――2017年を振り返ると大躍進でした。映画、ドラマはもちろん、衆議院総選挙の啓発イメージキャラクターにも起用されて、ステップアップした一年でしたね
川栄李奈 選挙のポスターは私もビックリしました。昨年はすごくたくさんの作品をやらせてもらって、毎回全然違う役で、全部のお仕事が違っていて…。大変だと思うこともありましたけれど、女優のお仕事は刺激的ですごく楽しいなって改めて思いました。普段の自分の姿とは異なる自分になれる。それこそ学生役なんて、もう高校生じゃないのにお芝居の中でやらせていただくなんて、女優じゃなかったらないですからね。すごくありがたいなと思います。
――昨年はたびたび、「自信なんか全くない」とおっしゃっていました。auのCM『三太郎』シリーズでの“織ちゃん”としても出演し、名実ともに人気女優として認知されていると思います。自信はついてきたのでは?
川栄李奈 私は「自信を持たないようにしている」タイプなんです。自信を持っちゃうと調子に乗っちゃうんですよ。 よしやるぞ!ってお芝居に対して自信を持つことも大事だと思うんですけれど。自分がたくさん出させていただいて、変に「いいな、いけるな」って思ったらこんな奴はすぐにいなくなっちゃうと思うので、わきまえています。謙虚な気持ちは意識してずっと持ち続けたいですね。
――とはいえ大活躍されていますから、少しくらい調子に乗ってもいいんじゃないですか?
川栄李奈 いやいやいや。絶対にダメです! 私なんてすぐに消えますから!!
――常に“危機感”を持ってやっているんですね。憧れの女優として満島ひかりさんを挙げられていますが、川栄さん自身の女優としての“夢”は?
川栄李奈 女優っていう存在・お仕事自体、そもそも夢があるものだと思っています。現実世界の自分ができないことをやらせてもらえて、色々な体験ができることが本当に魅力的ですね。これまでは明るい役をやらせていただくことが多かったのですが、私生活や私個人はむしろ逆なんですね。明るい役の時は内側から「よし!」って結構頑張るんですよ。なので、暗い役とか、心の内側も表現できる女優になりたいですね。
――では、今後挑戦していきたい役柄はありますか?
川栄李奈 やりたいお仕事を挙げるなら…私、ホラーがすごく好きなんですよ。今回の『嘘を愛する女』ストーカーの心葉役もそうですが、悪役やインパクトのある役のほうが見ている方も分かりやすいと思います。演じるのも現実にはできないことをしている感覚がすごく楽しいので、これまでと違うエキセントリックな役をどんどんやっていきたいですね。
――なるほど。ダークサイドも演じてみたいと。いつもはヒロイン役ですからね。
川栄李奈 いえ、“ヒロインの友達役”が多いですね(笑)
女優としての“今”が充実している、2018年は脇役こそ頑張りたい
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