雪上でファットバイクの運転を楽しむ走行会の参加者たち(若桜町のわかさ氷ノ山スキー場で)
雪山の斜面をタイヤが太いマウンテンバイク「ファットバイク」で駆け降りるコースが今冬、鳥取県若桜町のわかさ氷ノ山スキー場に試験的に開設され、注目を集めている。
スキーやスノーボードとは違った迫力や爽快感が味わえるといい、関係者は「鳥取の新しいウィンタースポーツとして定着すれば」と期待している。
今月20日、同スキー場で開かれたファットバイクの走行会には、県内外から男女計13人が参加。ゲレンデの端に柵で区切って設けられた専用のコースを下り、凹凸を利用して前輪を浮かせるなど、ダイナミックなサイクリングを楽しんだ。堺市南区の会社員宮崎淳さん(40)は「操作が難しかったが、景色のいいゲレンデを下るのは気持ちがいい」と笑顔を見せた。
ファットバイクは、もともと米国で雪上走行用に考案された自転車だといい、タイヤ幅が約10センチあり、接地面が広いため雪に埋もれにくい特徴がある。国内では、長野県のスキー場で走行イベントが開催されるなどしているが、認知度はまだ低いという。
この日、走行会を主催したのは、鳥取砂丘(鳥取市)でファットバイクの体験教室を開いている「トレイル・オン」(湯梨浜町)代表、小椋宣洋さん(46)。「雪の上を走る本来の楽しみ方も知ってもらいたい」と、昨季初めて伯耆町の大山ますみず高原スノーパークで走行会を開催し、今季は、わかさ氷ノ山スキー場のアルパインコース運営会社「若桜観光」(若桜町)に働きかけて実現させた。
同スキー場の専用コースは約500メートル。リフトには、ファットバイク(重さ10~15キロ)を持ったまま乗ることができ、最大18度の傾斜を駆け降りる。初心者は小椋さんの指導を受けられる。
同スキー場の来場者は、1995年度の約8万8000人をピークに減少し、近年は3万人前後。同社はファットバイク専用コースの常時開設も検討しているといい、担当者は「人気が高まり、来場者の増加につながれば」と期待する。
小椋さんは「雪山を自転車で走行できるという非日常の体験が魅力。バランスの取り方やブレーキの加減は難しい点もあるが、うまく走れた時の達成感や爽快感を多くの人に味わってもらいたい」と話している。
同スキー場での走行会は2月3、24日にも開かれる。ファットバイクかマウンテンバイクを持参した場合、参加費5000円(リフト券、保険料込み)。自転車のレンタルもできる。問い合わせは小椋さん(080・1649・1796)。
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