人生を変えよう。

                                                 ツナとりんごのサンドイッチ

ひとりごはん生活を楽しむためのコツ　その10

　文句を言うのは簡単です。

「パートナーがいない」「上司と合わない」「後輩が仕事をしない」「近所のおばさんがうるさい」「こんな病気になるはずじゃなかった」……。

　うん、確かにそうかもしれない。だけど、文句を言い続けても変わらないならば、私はそのエネルギーを千切りにかけたい、と思うのです（笑）。

　大根を、にんじんを、なるたけ美しい千切りにして、少々塩をふってから水を絞り、かつおぶしをのせ、ポン酢をかけて食べちゃう！ 包丁の刃に集中して小気味良いリズムで刻み続けているうちに、イライラがどこかへ飛んでいってしまうのです。

　食べ終えて、「あー、ヘルシーなサラダ食べたなぁ」と思うと、なんだかカラダもほっそりするのではないかと得した気分になる。もちろん、私だけかもしれませんが。

　私の場合、いやなことがあったら人の悪口をのみこんで、おいしいものを食べて、大好きな映画を見て、音楽を聞いて、お酒をガブーっと飲んで、寝てしまいます。だって、人生、プロダクティブな方が気持ちがいい。どれだけ文句を口にしても状況は変わらないのなら、自分が変わったほうがいい。そんなふうに思うのです。

　エネルギーを発散するには、歌ったり走ったり、人によってそれぞれでしょう。ただ、毎日できることといえば料理です。ああ、私がんばったなと思えるだけで、気分がよくなります。

　料理をつくって胃袋を満たせば、じんわりと幸せがしみだしてきます。あるいは、朝の１杯のコーヒーでも、昼下がりのお茶をおいしくいれるだけでもいいのです。そんな簡単なことでも、自分の手を動かし、舌を喜ばせれば、少しだけでも満ちたりた気持ちを取り戻せるのです。

ツナとりんごのサンドイッチ

　【材料】（１人分）

　ツナの缶詰（フレーク） …… 1/2缶（40g程度）

　りんご …… 1/6個（５mmの薄切りにして、粗切り）

　ピクルス（あれば） …… 小１本（みじん切り）

　レタス（あれば） …… 数枚

　マヨネーズ …… 大さじ１

　牛乳 …… 大さじ１

　こしょう …… たっぷり

　ベーグルまたはお好みのパン …… １個

　【作り方】

　（１）ツナ缶の油を切って、ボウルに入れる。そこにりんご、あればピクルス、マヨネーズ、牛乳、こしょうを入れて全体を混ぜる。

　（２）お好みのパンを軽くトーストし、あればレタスをしいた上に　（１）をのせて挟んだらできあがり。

　　「ツナとリンゴの組み合わせはアメリカの定番中の定番。ぜひお試しを」

　　　　◇

　行正り香さんの新刊『はじめよう！　ひとりごはん生活』の発売に合わせて、選りすぐりの１０のレシピと、ひとりごはん生活を楽しむためのコツ１０カ条を、１０回にわけてお届けします。

行正り香「はじめよう！　ひとりごはん生活」＞

PROFILE

行正り香（ゆきまさ・りか）料理研究家