鏡を見よう。

                                                         作りおき根菜汁

ひとりごはん生活を楽しむためのコツ その９

　自分というものは、自分ではわかっているようでいて、わからないものです。

　どんな姿勢で座っているのか、どんな声で話しているのか、どんなふうに食べているのか、お酒を飲んでいるのか……。似合っていると思って着ている服が本当に似合っているのか、そうでないのか、ぜんぜん分かりません（笑）。

　もしかしたら、だからこそ、人間は他人の悪口を言うのかもしれません。自分のことは、ついつい棚の上にあげたまま。

　でも、家に大きめの鏡がひとつあると、そうはいきません。自分の全身を見て、「あらまぁ、だらしがない」と気がつくことができます。立っているとき、おなかが突き出ていて妊婦さんみたいだな、とか。実際に見て感じることで、ちょっぴり落ち込みながらも、努力しようと思えます。

　バレエやダンスをしている人の立ち居振る舞いが美しいのは、きっと鏡があるからだと思います。いつも、美しさに心を配っているから。美しく立つ人は、美しく座ることもできるし、カラダの芯がまっすぐだから、食べるときも美しいのです。

　そのために何をするかというと、私が発見したのは「腹筋・背筋をつける」というシンプルなことです。これはダンサーに通じることでもありますが、腰を支える筋肉があれば、まっすぐ立つのもそんなにきついことではないのです。

　会社などで座ってばかりの生活を続けていると、どうしても腹筋などが落ちて、最後は腰痛の原因となってしまいます。まずは背中をまっすぐ伸ばして歩くことから始めるだけでもいい。

　「意識をする」のと「意識しない」のでは、たたずまいに大きな差が出てくるような気がします。たとえ、だれに見られていなくても、はずかしくない姿勢でラーメンを食べられたら素敵です。

作りおき根菜汁

【材料】（１人分）

　ごぼう …… １本

　にんじん …… １本

　大根 …… １０cm

　豚バラ（またはベーコン） …… １枚（１cm幅に切る）

　水 …… ３カップ

　めんつゆ …… 大さじ２

　塩 …… 小さじ1/2

　ねぎ …… 1/4本（斜め薄切り）

【作り方】

　（１）ごぼう、にんじん、大根は皮をむき、一口大に切る。

　（２）鍋に材料を入れ、野菜がやわらかくなるまでコトコト煮る。ねぎをのせ、お好みで粉山椒をかけてどうぞ。

　「お肉は豚のひき肉でもＯＫ。野菜補給のために３食分ほど作っておくと◎」

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　行正り香さんの新刊『はじめよう！　ひとりごはん生活』の発売に合わせて、選りすぐりの１０のレシピと、ひとりごはん生活を楽しむためのコツ１０カ条を、１０回にわけてお届けします。

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PROFILE

行正り香（ゆきまさ・りか）料理研究家