『いのちって、スゴイ!自分って、スゴイ!』
初めまして、4月からこのコラムを担当させていただくことになりました。公益社団法人 誕生学協会認定、誕生学アドバイザー・産後教室講師の澤田貴美子です。誕生学アドバイザーとして、産後教室講師として、また、16年間従事している、産前産後のフィットネスインストラクターなどの経験の中でのエピソード、自身の4人の子育ての中で学んだことなど、「妊娠・出産・育児・更年期」、そして「誕生学®」などをキーワードに、女性のためになるコラムをお届けしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
第1回目の今回は、「いのちって、スゴイ!自分って、スゴイ!」。 みなさんは、ご自分のいのちが始まった時の大きさを、見たり感じたりした経験はありますか?自分のうまれた時の大きさをご存じの方は、多いですよね。いのちが始まった時の大きさを、数字でご存じの方も多いかもしれません。でも・・・私が誕生学®の講座を開催後に、よくいただく感想は、「いのちが始まった時の大きさを、見たり感じたりの経験や、いのちのちからについてこんな風に感じたことは、今までほとんどなかったわ」という声が多いです。かくいう私も・・・自分のいのちの始まった時の大きさはもちろん、「おなかの中でどのようにどんな力を使って成長し、どんな力を使ってうまれてきたのか」、なんてあまり考えたこともありませんでした。誕生学®に出逢うまでは。
今回このコラムで誕生学®という言葉を初めて知ってくださった方も多いのではないでしょうか。
誕生学®は、「生まれてきたことが嬉しくなると、未来が楽しくなる」をコンセプトに、『誕生』を通して、子どもにも大人にも「自分がどんな風におなかの中で成長してきたのか」「自分自身の産まれてくる力」を伝え、産み生まれる力を再認識することで自尊感情を育むことを目的としています。そして、いのちの大切さやいのちをつなげる尊さを感じることにより、いじめや青少年の自殺、親子の愛着形成不全を防止し、次世代育成支援を目的としたライフスキル教育(※)プログラムとなっています。 [公益社団法人 誕生学協会HPより]
「いのちって、スゴイ!自分って、スゴイ!」と心で感じることは、大人のわたしたちにとっても、非常に大切なことであるとともに、成長期のこどもたちにとっては、特に、とても重要な事だと感じます。
それはなぜなのか、そしてどんなことに良い影響をもたらすのかについてや、ご家庭でもできる声かけについても、このコラムの中でこれからお伝えしていきたいと思っています。
※ライフスキル教育とは、心の健康を高め、自分や他者を大切にし、精神障害・問題行動を予防するための教育定義です。[WHO世界保健機関ライフスキル教育プログラムより]
『自分に対しての自信』
毎年毎年、桜の便りとともに、入園・入学・新社会人のスタートを目にする4月。あっという間に後半となりました。
新しい道のスタートを切ったみなさん、本当におめでとうございます。
先日、ピカピカの制服姿の新・中学生とすれ違いました。制服を着てとても大人に見えた半面(わずか20日前までは、ランドセルに黄色い帽子だったわけですから、スゴイ変化です!)、その姿からは、新しい環境の中での緊張を抱えているように感じました。
年度初めの4月は大人も子どもも誰しもが、いろいろな変化を迎えているのではないでしょうか。
入園したばかりの園児さん、ようやく慣れてきた子もいれば、まだ毎朝泣いている子も。そして、そんなわが子を送り出す保護者の方にとっても、大きな変化の毎日。
すでに通園している園児さんでも、4月は担任の先生が変わったり、過ごすお部屋が変わったりと、環境が変わることへのストレスがあったりしますね。
そして、のびのびと過ごしていた保育園や幼稚園での生活と違い、教科書や筆箱を持って、授業という未体験ゾーンを体験している新1年生。保護者の方は、“自分の足で歩いて学校へ行く”という自立を感じていらっしゃることでしょう。
2年生~6年生の子どもたちも、クラス替えがあったり、担任の先生が変わったり。
そもそも新学期で班が新編成となるだけでも、大きな環境の変化です。初めてPTA役員さんを務めることになり、ドキドキの保護者の方もいらっしゃるかもしれませんね。
中学生も、新入生だけでなく、2年生だって4月は初めて「先輩」と呼ばれる立場になり、喜び、責任、緊張で気が張っている毎日かもしれません。3年生は、あちこちから聞こえてくる「受験生」というキーワードに、既に重圧を感じているかも・・・。
高校生だって、同じです。今までより、グーンと広くなる行動範囲。そして、今までよりさらに広がる交友関係。不安や戸惑いもあることでしょう。
そんな変化を見守る保護者も、気持ちが不安定になりがちな4月。
大学生、一人暮らしを始めた若者たちや、「仕事」という学生と違う社会の中での生活をスタートした新社会人のみなさんも、自分の道を、自分の足で一歩踏み出したばかり。
環境の変化に戸惑い、ストレスを感じるのは、大人も子どもも一緒ですね。特に4月の3週目頃から、気持ちが落ち込みやすいといわれています。では、どうしたらこの不安定な気持ちを前向きな気持ちに向けていくことが出来るのでしょうか。
以前、心理学の先生から、このことについてお話を聞かせていただいたことがあります。
この、4月の不安定な気持ちを前向きな気持ちに向けていくキーワードは・・・。
「自分に対しての自信」だそうです。
4月もあっという間に、後半となりました。全力疾走のように駆け抜けてきた4月だからこそ、このあたりで深呼吸して考えてみませんか。
いろいろな変化を迎えるこの4月、子どもが自分に対しての自信が持てるよう、どんな言葉をかけたらよいのでしょうか。
そして大人自身も、自分に対して、どんな気持ちで自分を励ましたらよいのでしょうか。
こたえは、人それぞれ。どんなこたえも、きっと間違いなどないのでしょう。私自身も、家族に対して、自分に対して、じっくり向き合い考えている今日この頃です。
悩みながら、迷いながら、一歩一歩・・・。
あなたは、そのままのあなたで大丈夫。
私は、このままの私できっとじゅうぶん。
今あるいのちに、ありがとう。
『きっかけは、いろいろなところにあるのです』
5月10日は母の日でしたね。
今回のコラムは、母の日にちなんだ、ある女性のエピソードをお届けします。
(掲載に関しては、ご本人の承諾をいただいております)
数年前、産婦人科クリニックでの産後クラスにご参加いただいて以来、お付き合いを続けさせていただいているAさん。
この頃、いろいろな悩みをきかせていただいていたのですが、打ち明けてくださった悩みは、
「わが子をちゃんと愛せているのか自信がなくて・・・」というお悩みでした。
お会いする度に、いろんなお話をきかせていただいていくと、
どうやらその根本にあるものは、ご自身とお母さんとの関係にある「わだかまり」なのかな・・・と。
Aさん自身も、その事を感じてみえたご様子でしたが、悶々とした気持ちがなかなかすっきりせず、悩んでいらっしゃったようです。
機会があるごとにお話しをきき、「わだかまり」が解けるには、時間が必要かなと思いつつ、何か良いきっかけがあるといいんだけど・・・と思っていました。
ある時、「幼児と低学年向け誕生学®」の講座を開催する機会がありました。お子さんが対象年齢だったので、「よかったら、お子さんと一緒に参加しませんか?」とお誘いしたところ、「誕生学®って、正直よく知らないんだけど、予定が空いているので参加してみます」とのお返事。
「どんな内容かよく分からないけど、なんとなく」でご参加される方、実はとても多いです。嬉しいです、それでもご参加いただけることが。そして、「初めて知った」という方の講座後の反応が、とても興味深かったりします。
Aさんも同様でした。
講座の後、感想を書いていただくのですが、
「知らなかったことばかりで、驚きました」とのご感想をいただきました。
とても嬉しい出来事があったのは、それからしばらくたった、後日です。
Aさんからメールをいただきました。
「先日は、講座に参加させていただいてありがとうございました。正直、私にとって、いのちのはなしは衝撃的でした。あ、良い意味で、です。あれから改めて、いろんな事を考えました。私は、母に愛されていないとずっと思っていたけど、母が私をうんでくれたことはまぎれもない事実。愛されていたかどうかより、私自身がすごい力を使って母のお腹の中で成長してきたこと、すごい力を使ってうまれてきたことに、まずは自信を持ちたいな、と思えたんです。
そして、この子も同じですよね。すごい“いのち”なんだと思えました。そんないのちを繋げた自分も、繋げてくれた母もすごいんだなって。
つい先日、うちの子の誕生日だったんです。初めてなんです、「うまれてきてくれて、ありがとう」って心から思えたのが。そして、講座できいたように、言葉にして伝えました。子どももウルウルしていました。
今度の母の日には、母に勇気を出して伝えてみようと思います。うんでくれて、ありがとうって。ちゃんと届くかな、心配です。でも、伝えたいと思えたのは、あの講座のおかげです。きっかけをくださって、ありがとうございました。また報告します。」
このメールが、溢れてくる涙で読めなかった私です。
これが、Aさんが見つけたご自分なりの答えだったそうです。
世の中には、いろいろな親子関係があります。
どんな親子関係だとしても、私たちが今、ここに存在しているのは、
私たち自身がすごい力を使っておなかの中で成長し、
すごい力を使ってうまれてきた事実があるからに間違いないのではないでしょうか。
自分って、スゴイ!
そう実感できるきっかけは、たくさんあった方がいい!
映画でも、ドラマでも、小説でも・・・。
いのちについて、こころで感じられるきっかけは、いろいろなものや、いろいろなところにあるのではないでしょうか。
だから・・・
自分自身がいろいろなものにふれ、子どもたちにもいろいろなものに触れられる体験をさせてあげたいですね。
『こころの健康、からだの健康』
今回は、フィットネスインストラクターとして、日ごろ運動のクラスを担当していて思うことをお伝えしたいと思います。
もともとは、スポーツクラブ等でエアロビクスやアクアビクスなどのクラスを担当していた私ですが、産前産後の分野に関わらせていただくようになってから、もうすぐ17年。
今では、赤ちゃんから、高齢者の方まで、幅広い年齢層のみなさんと関わらせていただいています。
最近特に感じることは、妊婦さんの運動離れ。
「妊娠前に運動習慣がないから」というわけだけではなく、働く妊婦さんの「毎日の忙しさ」も影響しているのでは・・・と感じるのです。
実は、妊婦さんの運動離れとは反対に、産後から運動に興味を持ってくださる方は、とても多いです。産後のクラスに来て下さったママたちにお話を伺うと、
「妊娠中は、ぎりぎりまで働いていたし、時間にも余裕がなかったから、運動どころじゃなかったんです。でも、育児が始まったら、体力も不安になったし、気晴らしもしたくなって・・・」という方がとても多くいらっしゃるんですね。
「目いっぱい仕事をして、家事もして・・・となると、日々で精いっぱい。お散歩どころじゃありません」という声が多いのも当然だと思います。
ではなぜ、それでも運動をおすすめしたいのか、といいますと・・・
「こころとからだはつながっている」
それを今まで出逢った、クラスへ参加して下さるたくさんのみなさんから学んできたからです。
これまでたくさんの先生方が、運動することによって活性化されるβエンドルフィンや、セロトニン、ノンアドレナリンなどの脳内伝達物質の分泌の促進により、副交感神経が優位になりやすいとされる、「運動が心の健康にも有効」という研究発表をされています。
横文字が並ぶと難しいですね・・・。
要するに、「体を動かすと、こころもスッキリするよ!」ということですね。
そして、運動には様々な種類の運動があります。
もちろん、それぞれの運動に、それぞれの目的があり、運動の内容によって、得られやすい効果もそれぞれです。
どんな効果を期待するのか、なんのためにその運動をするのか、それによって、ご自分に適した運動を選んでいただければ良いのです。
そして、運動も、好みがいろいろです。
「私は、音楽に合わせてからだを動かす事が好き!」
「ゆったりとマイペースに動ける運動がいい!」
「お水の中でからだを動かすと、こころが解放される~!」
「ひとりより、みんなでの運動が楽しい!」
だから・・・
ご自分が心地よいと感じられる運動が一番効果的なのではないでしょうか。
だって、
こころとからだはつながっているのですから・・・。
産前産後は、特に、こころが不安定になりがちです。
ぜひ、こころとからだのメンテナンスの時間、作ってみてくださいね。
まずは、お散歩から始めてみませんか?
緑を感じて、空気を感じて、温度を感じて・・・
こころにも栄養をたっぷりチャージしましょう。
そして、産前産後に安全で安心で効果的な運動がしたいわ、という方。
そんな運動を指導できる専門家が、みなさんの身近にも、きっと存在するはずです。
ぜひぜひ出逢ってみてくださいね。
どうか、
みなさんの『こころの健康、からだの健康』が健やかなものであり続けますように・・・。
0コメント